パネルディスカッションで取り組みを説明する御坊市自主防連絡協議会の酒本会長㊨ら

 南海トラフ地震発生時に甚大な被害が想定されている和歌山、三重、徳島、高知の4県連携自主防災組織交流大会が28日、日高川町防災センターで開かれ、各県の自主防災会が活動事例を発表した。和歌山県の御坊市自主防災組織連絡協議会(酒本和彦会長)は昨年6月に開催されたごぼう防災まつりを説明し、ゲーム感覚を取り入れた訓練を紹介した。

 交流大会は災害時の共助の要となる自主防災組織育成や活動の活性化を図る目的で、2005年から毎年、各県持ち回りで開催している。

 今回の大会には約100人が参加。御坊市自主防災組織連絡協議会のほか、徳島県北島町の江尻西自主防災会、高知県いの町の伊野地区自主防災会連合会、三重県四日市市の三重県立北星高校が参加した。

 御坊市自主防災組織連絡協議会は酒本会長が「〝公助に頼らない〟災害に強いまちづくり」をテーマに発表。ごぼう防災まつりについて、「バケツリレーに参加した人はミキサー車を使ったガチャポンができ、避難タワーに登った人は防災カレーを試食できるイベントなどを実施した。開催費用は市などからの補助金を一切使わず、企業などの協賛金を活用した」と紹介し、「『楽しみながら防災を知ろう』をコンセプトに、『訓練』という重い言葉を使わずに『まつり』という言葉を入れて気軽にできるように企画した。〝訓練〟という名のない訓練で、遊びを交えることで子どもからお年寄りまで約4000人が来場した」と説明した。子どもたちの防災教育についても触れ、「学校の授業に防災の時間を取り入れてもらえるように訴えている」と述べた。

 江尻西自主防災会はラジオ体操と防災を結びつけた取り組み、伊野地区自主防災会連合会はオリジナルのハザードマップ作りを通じて住民の危機意識を高めていること、北星高校は学校と地域が連携して避難訓練を実施していることなどを発表した。

 パネルディスカッションも行われ、明石工業高等専門学校建築学科の本塚智貴准教授がコーディネーターを務め、パネリストの4県自主防災組織代表者が発表した事例をさらに踏み込んで情報交換した。