ウォルト・ディズニー・カンパニーが昨年10月で創立100周年を迎えたそうで、記念ミュージカルアニメ「ウィッシュ」が公開されるなどいろいろ記念イベントが行われています。わりと好きなコラムニストの著書にディズニー関連の本があったのを思い出して、読み直してみました。

 内容 大きく分けると全5章で、各章のタイトルは「女と男のディズニー」「ディズニーでの家族八景」「すいている日のディズニー風景」「もちろんディズニーは混む。『混みすぎて壊れているころ』」「ある暑い夏のディズニー」。場面別に、男性目線での「ディズニーあるある」が饒舌体で繰り広げられます。各章の中にさらに短いコラムがあって、それがトータルで51編。それぞれラストに掲げられる教訓はといえば、「隠れミッキーを教えてもらったら、嬉しそうにせよ(特に男子)」「喧嘩は近寄ってみると面白い」「世の中には20㍍あるポイントを『あと2㍍だから』という人がいる」「巨大なダッフィーで子供は泣きます」「230分を『2時間30分』と読む人が世の中には一定数いる」…教訓とは言いながら、およそ、その後の人生に役立つわけではない箴言(?)の数々。

 これは、ディズニーランド/シーへ行く前にガイドブック的に読む本ではなく、ある程度おなじみの人が「あるある」と楽しむ読み物なんですね。中学校の修学旅行で東京へ行った時にはまだ東京ディズニーランドができていなくて、成人してから別々の友人と各1回行っただけの私にはあまり「あるある」はないのですが、とにかくこの著者の語り口調が好きなので想像しながら面白く読めました。まったく役には立たない、そこが逆に面白い。

 しかし、この著者には本書と同じ新潮文庫で「東京ディズニーリゾート便利帖」というディズニーガイドブックもあり、ネットでも5つ星がたくさんついているのでそちらは本当に役に立つようです。(里)