新しくなった焼却炉の外観

 御坊広域行政事務組合が名田町野島の御坊広域清掃センターで進めていたごみ焼却施設基幹的設備改良工事が完了し、稼働を始めた。設備の老朽化に伴い4カ年で35億9000万円を投入した事業。メインの焼却炉2基など全面的に設備を更新したことで、およそ15年間の施設延命化とともに、省エネルギー化を図った。

 1980年に建設された旧ごみ焼却施設の老朽化に伴い、2代目となるごみ焼却施設は1998年に完成、途中で大規模修繕などを行ってきたが、二十数年が経過して修繕ではこれ以上、稼働を続けるのが困難となり、建屋はそのままに設備を一新することになった。

 工事は2020年10月から始まり、焼却炉2基(1基当たりの処理能力は一日73・5㌧)、燃焼ガス冷却設備、排ガス処理設備のほか、通風、灰出し、雨水利用などの設備を入れ替えた。焼却炉は1基ずつ順番に設置工事を行い、ごみ焼却の業務を継続。また、設備の電気モーターはこれまでより消費電力が少なくて済む最新型を採用して省エネ化を図り、二酸化炭素削減対策(削減率3%以上)にもつなげる。センター敷地内にはごみを積んだ車両ごと計量できる設備が1カ所にあったが、年末などに車両の渋滞が発生していたため、もう1カ所追加した。工事は終了してすでに稼働しているが、2月から性能確認や検査を行い、3月末に本完成となる。設計・施工はJFE環境テクノロジー株式会社(千葉県千葉市)、施工・監理は株式会社東和テクノロジー関西支店(大阪市)。

 今回の事業で2038年ごろまでの設備延命化を図ったが、老朽化が進むことを見据え、あと5年もすれば再び施設の改良、または新設などを検討しなければならないという。