日々、車を運転しながら、道を横断する自転車や歩行者に気づいて止まる車が多くなったと感じる。自分も止まって子どもにペコリと頭を下げられると、ちょっといいことをした気分になる。県警のキャンペーンの効果だ。

 県内で開催されているスポGOMIもそう。町内会や職域の奉仕活動をスポーツとしてとらえ、同じごみの量でも種類で得点が異なり、ちょっとしたゲーム性をもたせることでモチベーションが上がる。

 ほんの少しの感謝の気持ち、ルールを設けて得点を競うことで楽しくなるが、これが人為的気候変動の防止など世界規模の話となると、どの国も自国の利益にならなければのらない。

 地球の肺ともいわれるアマゾンの森林。ブラジルでは肉牛を放牧するために森が焼かれ、バイオ燃料の大豆を栽培するために森が農地に転換され、CO2を吸収する熱帯雨林の消失が加速している。

 エクアドルでは、犯罪組織による鉱物の違法採掘が後を絶たず、安全対策を無視した現場は当然ながら事故も多発。さらに合金を作る際に使う水銀が川にたれ流され、魚を食べる先住民らの体を蝕んでいる。

 軍が政府の指示を受けて違法採掘を取り締まっているが、多くの場合、情報を基に踏み込むと現場はなぜかもぬけの殻。腐敗した政府が情報を洩らし、ハナから本気で捕まえる気などないという。

 国連は化石燃料の廃止をめぐって議論を戦わせているが、それが回るかどうかは詰まるところ、儲かるかどうか。富める大国を支えるため、資源はあれど貧しい国が環境を破壊し続けている。現下の政治とカネの問題も、その本質は同じであろう。(静)