関西電力は19日、世界的な脱炭素社会づくりへの取り組みが求められるなか、原子力発電所の再稼働による供給力アップなどを理由として、和歌山市湊地区に計画していた液化天然ガス(LNG)を燃料とする和歌山火力発電所(総出力370万㌔㍗)の建設を中止すると発表した。今後は県、和歌山市と三者で、予定地に企業誘致を進めるための協議会を設置する。

 和歌山火力発電所は、1995年から建設計画の検討が始まり、33年度以降の運転開始を目指し、00年から準備工事がスタートしたが、電力需要の落ち込みで04年から中断。脱炭素社会への取り組みが世界的に求められるなか、二酸化炭素を排出する大規模な火力発電所への投資は採算が合わないと判断した。

 建設予定地については26年度を目途に、約95万平方㍍のうち約15万平方㍍を企業エリアとして整備する方針。県と和歌山市に対し、企業誘致を進めるための協議会を共同で設置する考えを伝えた。

 岸本周平知事は「県としては、脱炭素化の推進を目指しているので、事業の見直しはタイムリーでありがたい話。建設予定だった場所はよい立地なので、脱炭素化の助けとなる企業の誘致を求めていきたい」と述べ、建設中止を歓迎。尾花正啓和歌山市長も同様に、「大きな決断をしてもらった。歓迎したい」などと述べた。

 電力需要の落ち込みや景気の低迷が長引くなか、県内では火力発電所の廃止、建設計画の中止が相次いでいる。05年には御坊市の名田・塩屋沖に建設を計画し、埋め立て準備工事もスタートしていた御坊第二火力発電所が中止となり、19年には海南市の海南火力発電所の廃止が決定した。