祈願後に(左から)尾上さん、中村さんと小野院主

 東京都銀座、歌舞伎座で1月2日から行われる興行「壽 初春大歌舞伎」夜の部で「京鹿子娘道成寺」に出演する歌舞伎役者の中村壱太郎(かずたろう)さん、尾上右近さんが18日、日高川町鐘巻の道成寺(小野俊成院主)を訪れ、公演の成功を祈願した。

 安珍清姫伝説を題材とした能、歌舞伎、文楽等「道成寺もの」と呼ばれる一連の芸能の集大成とされる大曲。同寺での成功祈願は、中村さんは3度目、尾上さんは今年8月の自主公演前の祈願に続いて2度目。小野院主の読経に続き、2人は焼香して成功を祈願。小野院主は「道成寺ものを演じられることは、千手観音様と観客の皆様の間にご縁をつくってくださること」と話した。1月興行では、2日から14日までの前半は中村さん、15日から27日までの後半は尾上さんが清姫の化身である白拍子花子を演じる。

 中村さんは「その時々で思いは異なりますが、2024年の最初を歌舞伎座での『道成寺』で一歩を踏み出す決意、覚悟を自分の中に固めました」、尾上さんは「浅草での自主公演前に初めて祈願。半年ほどの間に2度祈願させていただく演者は少ないのでは」と話し、「大切な作品。見て下さるお客様に、さらに大きなものをお届けできるよう、身を粉にして務めます」とそれぞれに意気込みを語った。