哲学は難しくてつまらない……そんな風に考えてた時期が俺にもありました。本書は、そんな以前の私のような考え方の人にもオススメしたい一冊です。

 「真理っていったいなんだろう?」その問いに2000年以上昔に人類は初めて哲学し、ある結論にたどり着きます。「絶対的な真理なんてない。価値観なんて人それぞれさ!」

 いきなりミモフタモナイ結論ですが、この考え方を相対主義といいます。そんな相対主義を代表する哲学者がプロタゴラスであり「人間は万物の尺度である」と唱えました。たとえば、コップの中に自分にとって冷たい水が入っていたとします。このコップは誰からみても絶対に冷たい水であると言い切れるでしょうか? いいえ、必ずしもそうとは言い切れません。同様にプロタゴラスは、「善悪」の概念についても同じだと主張しました。

 しかしそんな考えに対してソクラテスは、絶対的に正しいものが無いならば、皆好き勝手にすればいいという考えになってしまうと反論します。そのソクラテスの考えに対してデカルトは考えます。そしてそのデカルトの考えに対して……。

 このような新しくより真理に近い考えはなにかと考え、くり返してきたのが哲学の歴史だといえるかもしれません。

 本書は真理、国家、神様、存在の4つの章で哲学者とその歴史について解説しています。ニーチェ、プラトン、アダムスミス、アリストテレス、ニュートンなど、一度は聞いたことがある哲学者から科学者までいます。

 表紙の絵で気づいた方もいるかもしれませんが、著者はかなりのバキ好きのようで、解説の所々にバキ要素がにじみ出ています。そこも面白く読めるポイントだと思います。

 「史上最強の男を見たいか!哲学者入場!」このセリフにワクワクした方はぜひ読んでみてください。(将)