長年にわたる人権擁護活動で御坊人権擁護委員協議会の森川正教さん(54)=御坊市湯川町財部=、更生保護活動で日高保護司会の岡﨑完治さん(75)=御坊市御坊=が、それぞれ法務大臣表彰に選ばれた。森川さんは23日付で後日、和歌山地方法務局御坊支局で伝達を受ける予定。岡﨑さんには24日、和歌山城ホールで行われる県更生保護功労者顕彰式で伝達される。

 人権擁護委員に対する表彰は県内で森川さんを含めて3人。森川さんは2012年7月の委嘱から約11年にわたり自由人権思想の普及高揚に尽力し、相談や教室で地域社会に密着した人権啓発活動に取り組んでいる。

 特に幼稚園・小中学校での人権教室、高校でのデートDV人権教室、SOSミニレターの周知・推進、人権の花運動で、子どもを対象にした人権啓発活動に積極的に携わり、子どもたちの確かな人権感覚と豊かな感性の醸成に大きく寄与。県連合会では13年5月から19年5月まで男女共同参画委員、今年4月から御坊協議会の常務委員を務め、委員組織の円滑な運営に貢献している。

 元教員で、現在は住職。訪問先の園や学校では園児や児童生徒の年齢に応じて分かりやすく、相談では「一歩でも前に進んでもらえれば」と、気持ちをくみ取れるよう話しやすい環境づくりを心がけており、「身に余る光栄。先輩方や他の委員さんの支え、関係者ら皆さんの理解、協力のおかげ。まだまだ勉強中です。制度の周知を含めて今後も協力できればと思います」と話している。

 更生保護活動に対する表彰は、犯罪や非行に陥った人たちの改善更生を助けるとともに、犯罪や非行のない明るい地域づくりに寄与した功労者の顕彰。岡﨑さんは01年から保護司を務め、罪を犯した人の更生や再犯防止、犯罪・非行の予防へ献身的に活動している。

 立ち直りを支える活動では、和歌山保護観察所の保護観察官に相談、連携。保護観察対象者の面接や環境調整を行っている。これまで少年を中心に7人を担当。誠実に向き合い寄り添って、話を聞くことを大切に、警察と家族の間という立場から、対象者と信頼関係を築くため、常に中立を心がけている。

 「保護観察期間の満了期日が近づいてくると、目が生き生きとしてきて、『もう大丈夫やな』と思えることがありました」と、再犯を起こさず頑張ってくれることが一番の願いで喜び。「保護司になった当時と比べて対象者が減りました。いいことです」と笑顔を見せ、「父や母、家族、先輩や仲間の保護司さんらに助けられやってこられた。退任まであと1年半、最後までやり遂げたい」と話している。