御坊市は13日、2023年度の文化賞受賞者を発表した。個人は司法書士や社会福祉協議会会長として活躍している岡本恒男氏(69)=熊野=、団体は70年を超える活動で短歌の普及発展、伝統文芸の継承に尽力している御坊短歌会。表彰式は11月2日午前10時半から、市民文化会館小ホールで行われる。

 文化賞表彰は1976年度から始まり、今年度で48回目。受賞者は今回を含めて80個人、31団体となった。

 岡本氏は1977年3月に関西大学を卒業し、同年11月、市内に司法書士事務所を開設。まちの身近な法律家として46年にわたり活動し、豊富な知識と経験で信頼が厚い。2000年4月施行の成年後見制度では高齢者や障害者を支援する「成年後見センター・リーガルサポート」の設立メンバーとしても尽力。この傍ら、県司法書士会の副会長、会長を務め、現在は名誉会長。長年にわたり御坊ロータリークラブにも所属、東京オリンピック誘致に貢献した和田勇氏の顕彰活動にも精力的に取り組んだ。

 19年12月からは社協会長に就任し、地域福祉の向上にも尽力。受賞には「身に余る光栄で感謝に堪えません。地域社会でもお役に立ちたいとの思いから御坊市に事務所を開設。その思いはいまも変わらず、今後も自分なりに地域に貢献できるよう精進していきます」。

 御坊短歌会は1977年4月に結成。「特定の結社や流派に所属せず、会員の自由な短歌の研さんと、相互の親ぼくを図る」をモットーに、前身の御坊文化協会短歌部の期間を含めると70年以上にわたり活動。月例会では会員が互いに短歌を詠み、意見を出し合い、時に議論しながら相互の上達につなげている。2021年11月の紀の国わかやま文化祭きのくに短歌の祭典には会から4人が出場するなど、高いレベルで活動するメンバーも擁する。作品展示の機会を積極的に設け若い世代の入会や愛好者の増加にも力を注いでいる。

 黒田有希子代表は「大変栄誉ある賞をいただき、ありがとうございます。諸先輩方の活動はじめ、短歌を通して関わった多くの皆さまの応援のおかげ。これを励みに地域の文化向上に努めていけるよう頑張ります」と話している。