文部科学省は、2022年度の小中高校の不登校の状況を公表した。県内の公立小中高校の不登校者数は合計2394人で前年度より308人増加し、過去最多となった。不登校者の主な理由で最も多かったのは小中高ともに「無気力、不安」で、ほかには親子の関わりやいじめ以外の友人関係、生活リズムの乱れなどがあった。県教育委員会では新型コロナによる生活リズムの乱れや制限ある学校生活が原因と分析し、不登校児童生徒支援員の配置などを進めていく。

 不登校は県内だけでなく、全国でみても小中学校で約29万人と、前年度より2割以上増えて過去最多になるなど大きな問題になっている。さまざまな理由があるだろうが要因の一つに睡眠不足があると思う。そう思うのも、先日、日高地方PTA連合会の研究大会で瀬川記念小児神経学クリニック(東京都)の星野恭子理事長から睡眠の重要性を聞いたためだ。講演で紹介された小学生向けのアンケートでは小学生の7、8割が「早く寝たい」と思っていること。また別の調査では早く寝れば寝るほど、自身の自己肯定感が高くなるという結果も紹介された。そして睡眠不足による症状は「だるい」「疲れる」「学校に行きたくない」など、不登校の理由そのものに感じる。

 子どもたちの睡眠を妨げている要因の一つは、寝る前のスマホやゲームだ。脳が興奮状態になり、睡眠を促すホルモンである「メラトニン」の分泌を低下させてしまうのだ。ただ子どもだけではゲームなどを止めたくてもなかなか止められないのが現状。星野さんの講演でもあったが、本人が寝ようとするとともに、親が寝かせようと声掛けなどでサポートしていくことが重要だ。(城)