先日、美浜町中央公民館で青少年非行防止研修会が開かれ、青少年育成町民会議や青少年補導委員連絡協議会の関係者約50人が、新聞記者から特殊詐欺や闇バイトについて聞いた。講師は産経新聞社大阪社会部記者の矢田幸己さん、中井芳野さん。事件事故の取材活動の一端から見えてくる青少年を取り巻く特殊詐欺、闇バイトの実態を語り、同業者の話とあって興味深く聞かせてもらった。

 2人は特殊詐欺の手口を犯人と被害者とのやりとりを例に挙げながら説明。不審な電話が複数回あった後、それらから得られた情報をもとに強盗に入られた高齢女性の事例も新聞記事とともに紹介した。闇バイトで募った若者ら「受け子」は使い捨てにされている実情を解説。記事や警視庁の啓発動画を見せながら、「派手なSNSの投稿に触発されてなのか、罪悪感があってもお金につられ、安易にバイト感覚で犯罪に加担してしまっている」と指摘した。

 しかし、罪を犯した後で罪の重さに気づくと強調。「闇バイトに手を染めれば必ず捕まる。家族らに相談する勇気を持って断ってほしい」という過去に検挙された人の声を伝えながら、「うまい話で捕まらないことはないし、逃げ得はない。私たち報道もですが、皆さんを含めて良心を持った大人が『逮捕される』という事実を丁寧に伝えていくのが大事」と呼びかけた。

 同じ事件事故担当の記者から聞く話。加害者、被害者の声をはじめ、しっかり取材しているのが分かる。そして、それらを分かりやすく伝えている。読者の皆さんが被害者、加害者にならないよう、取材し、記事にし、紙面を通じて犯罪の抑止につなげたいとあらためて思った。(笑)