限定販売するラーメン

 京都外国語大学グローバル観光学科の2年生10人が、美浜町のNPO法人日ノ岬・アメリカ村、御坊市のイタリアンレストラン「L'Albero」(アルベロ)とともに準備を進めてきたラーメン店「麺と向かって『みお』」が9月2、3日の2日間、三尾のアメリカ村食堂すてぶすとんでオープンする。特産のイセエビを使ったご当地ラーメンを限定で販売。「ラーメンをきっかけに、魅力を知ってもらって、まちを元気にしたい」と張り切っている。

 地域と一体となって観光のまちづくりに取り組む必修科目のCEP(コミュニティエンゲージメントプログラム)で、今年で4年目になる美浜町プログラムの活動。同町は観光資源が豊富な一方、人口減少や少子高齢化の課題を抱えており、観光の力で元気にしようと昨年度、当時2年生が考えたアイデアの「三尾ラーメン」を今年度、1つ下の学生が実現させる。

 中国、タイからの留学生を含む今年のメンバーは5月から活動開始。広報班6人、経営班4人に分かれて毎週1回、ビデオ会議アプリ「Zoom」で関係者とミーティングを行ってきた。

 広報班は主にインスタグラムやティックトックのSNSで美浜町の観光地やおすすめスポット、ラーメン開発の進捗といった情報を投稿。経営班はラーメンの試作を通して味やトッピング、麺の種類を決めた。ロゴ、店名、器やレンゲも自分たちで考案。ラーメン店を運営するコストや商品原価も計算し、無駄なく環境にやさしい店を目指す。

 ラーメンのスープやチャーシューの開発はNPO法人やアルベロと連携し、「伊勢海老×味噌」でクセになる味。材料はみそを含めて地元のものを多く使い、スープはイセエビをはじめ、たくさんのエビを使うことで味に深みをプラスしたという。

 営業時間は2日間とも午前11時から午後3時まで。一杯1000円、一日限定50食で販売する。店のコンセプトは「ごちそうさまからの美浜探索」。周辺施設を紹介し、まちを満喫してもらう。

 29日、河上幸子教授とともに訪れた学生10人は9月5日まで現地で活動。オープンまで最終の打ち合わせや店内の装飾、ビラ配りを行い、2日間は厨房やホールに立つ。広報班の田中萌々花さん(20)は「地域の人には実際に離れていても密着して教えてもらい、まちの方や先生のアドバイスのおかげ。ラーメンは自信を持って出せる味。少し緊張していますがオープンが楽しみです」。ラーメンを食べた人を対象に学生が三尾を案内するバスツアーも予定している。詳しくはインスタグラムやホームページで。