質問に応じて自然な文章を作成する対話型AI(人工知能)「チャットGPT」について、文部科学省が教育現場での取り扱いを示すガイドライン(指針)の検討を始めた。読書感想文などが自動で瞬時に作れることなどを問題視しているためだ。

 チャットGTPは、筆者も試してみたが登録も簡単で、すぐに始めることができ、用意された入力枠に質問事項やキーワードを入力することで、AIが自動的に文章で回答してくれる。

 読書感想文が問題というので試してみた。推理小説の「アガサ・クリスティそして誰もいなくなった 感想文 長文」と入力。最初に全体的なストーリー、次に主要な登場人物の紹介などから始まり、展開に夢中になったことや、小説の中で社会問題に警笛を鳴らしているなどと、感想や持論を展開させる内容に仕上がった。ネット上のどこかに引用元はあるのだろうが、ネタバレすることなく見事な感想文が出来上がった。

 確かに、児童や生徒らがチャットGTPで感想文を作成し、そのままでも自然だが、さらに文体を少し触れば、AIが書いたものとは判別できないだろう。しかし読書感想文は、感じたことを頭の中で整理し、どこがどのように感じたなど文章で表現することによって、思考力を養うものだ。AIの力を使ってしまえば自らの学ぶ機会を失うことになる。

 チャットGTPは、ビジネスの世界などではさまざまな活用方法が検討され今後の展開が期待されている一方で、便利なものも使う人次第で良くも悪くもなるというのは世の常だ。生活を便利にしてくれるのは歓迎したいが、今後、AIを使った思いもよらない新たな犯罪が生まれてしまわないかと、不安も感じる。(城)

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