JR東海は16日、今年の夏に東海道新幹線の車内チャイムを変更すると発表した。

 新たな曲はビジネスパーソンへの感謝と応援の思いを込めたキャンペーンソング「会いにいこう」。テレビCMも放映中で、ビジネスマンに扮した俳優の賀来賢人が新幹線に乗車する場面のほか、全国各地の社員らが笑顔で出迎える場面もあり、そこには「会うから見える 顔があるから」というメッセージが記されている。同社は「かつての日常が戻って来ようとしている。実際に会うことを通して、皆さまのつながりを取り戻し、活力ある経済活動の復活を支えていきたいという思いを込めた」とコメント。曲調もポップで明るく、これから自由に移動ができるというワクワクが感じられる。

 一方で、現在新幹線の車内チャイムに使用されているのは、TOKIOの「ANBITIOUS JAPAN!」。2003年の品川駅開業の際に作られたキャンペーンソングで、作詞がなかにし礼さん、作曲が筒美京平さんという、歌謡好きなら誰もが知る作家が手がけた曲だ。私も新幹線を使って上京する際、この車内チャイムを聞いて何度も背中を押された。力強く冒険心をくすぐる歌詞には、ビジネスマンだけでなく多くの老若男女が野心をかき立てられたと思う。20年間使用されてきたこの曲も、この夏で聞けなくなるのはとてもさみしい。

 車内チャイムが変わるのも、コロナ禍があったから。会いたい人に当たり前に会いに行けることは、いかに幸せなことか。これからはチャイムを通して、そのことを忘れてはいけないよと常に教えてくれるのだ。(鞘)