県は14日、県内の大学などでつくる高等教育共創コンソーシアム和歌山と県内7つの振興局が連携する、地域魅力創出プロジェクトに取り組むと発表した。振興局ごとにテーマを決め、学生たちが若者の視点で地域の魅力発信や課題解決を提言。日高振興局は「和食の源流は日高にあり」を掲げ、郷土料理の掘り起こし、発信につなげる。

 高等教育共創コンソーシアム和歌山は和歌山大学、県立医科大学、和歌山信愛大学などの教育機関が地域社会の発展に貢献しようと2000年7月に設立。今回の取り組みは来年の大阪・関西万博を契機に、県内で学ぶ学生が持続可能な地域の実現を考え、地域との連携を強める機会にする。

 振興局別のテーマでは海草が「国道370号の利用促進」、有田が「有田川町清水地域への誘客促進」、西牟婁が「熊野古道 大辺路への誘客促進」などを設定しており、全体で42人の学生が活動に参加。今月19日には和歌山大学で各取り組みを紹介するキックオフ会議も開かれる。活動内容は万博での発表を予定している。

 日高振興局では金山寺味噌(由良)、かつお節・真妻わさび(印南)、南高梅(みなべ)などの発祥の食があり、かきまでご飯(印南)、ごんちゃん漬け(日高川町)、ワカメ寿司(由良)などの郷土料理が知られているが、学生が現地見学や生活研究グループへのヒアリングを行い、学生目線での郷土料理の掘り起こしや保護、継承につなげ、食文化とSDGsをコラボさせた体験メニューも開発する。主な活動時期は夏休みを考えている。

 岸本周平知事は会見で「若い感性で突拍子もないような発想に期待したい。県の取り組みを振興局が主役となって進めていくこともアピールできれば」と話した。