墨人賞を受賞した 「宙」 と 「挑」 をバックに山下さん㊨と指導者の稻田さん(京都の京セラ美術館で)

 全国で活動する書家が集まる書道団体、墨人会(ぼくじんかい)が主催する第122回公募墨人京都展が、先月29日から4日まで京都市の京セラ美術館で開かれ、印南町西ノ地の山下久美代さん(70)の作品が最優秀の「墨人賞」を受賞した。書道歴約20年にして初の受賞。山下さんは「賞を取れるなんて驚きましたが、この賞を励みにより一層書道を頑張りたい」と話している。

 墨人会は紺綬褒章を受章している森田子龍らが1952年に結成した歴史ある団体。書道展は春に東京、秋に京都の年2回開催されている。今回開かれた京都展では、公募で48点の作品が集まり、墨人賞は会員の投票により2点選出された。

 山下さんは、墨人会の会員で書家の稻田宗哉さん(京都市在住)に月1回指導を受けに行き、書道仲間が集まる制作会にも参加し、活動している。同展には過去に何度も出展しているが、受賞は初めてだという。

 今回は自身が好きな文字「宙」と前向きになれる言葉「挑」の2点を書き、「宙」が受賞した。縦140×横180㌢の大きな台紙に直径約10㌢の筆で書き、力強くもきりっとした表現を意識したという。山下さんは「うかんむりの部分が難しかったですが、上手くいったと思いました。無駄なく書けたのがよかったです」と振り返り、「今回賞をいただいたので、次の展示会から賞に恥じないように頑張っていきたいです」と話している。