ワールドカップで日本代表が大活躍した。多くの人がテレビの前で応援したことだろうが、試合時間が深夜だったり早朝だったりで、翌日寝不足のまま通勤や通学をしたという人もいただろう。早朝ならまだしも、深夜の試合は終わった後も、興奮でなかなか寝付くことができなかっただろう。

 そんな睡眠についての講演会が11月に日高高校附属中学校であり、県立医大保健看護学部教授の宮井信行さんが、寝る前のスマホが睡眠に与える影響などで話した。最初に睡眠の効果について脳の休息、免疫力や自然治癒力の増加、成長ホルモンの分泌、体の休息、感情や記憶の整理などあることを説明し、睡眠が乱れると集中力が低下したり、病気になりやすくなったりし、学習効率にも影響するという。

 また夜眠くなるのは脳からメラトニンというホルモンが分泌され、メラトニンの作用で体温が低下し、休息に適した状態となり、眠気を感じるようになるという。そんな眠気を妨げてしまうのは、寝る前のスマホだ。昨年の総務省の調査結果によると、スマホの所持率は小学生低学年で約3割、同高学年で約5割、中学校で約9割。小学生のころからかなりの子どもたちが持っていることになる。

 成長期の子どもたちの貴重な睡眠を妨げないよう、スマホは寝る1時間前にはやめるようにする必要があると宮井教授は述べていた。もっとも子どもだけの話でなく、大人も同様だ。一日の終わりに布団の中でスマホを触る時間を楽しみにしている人もいるだろうが、良質な睡眠は日中の行動力や生活の質そのものの向上にもつながる。やめる時間を早めるなど、習慣を見直してみてはどうだろうか。(城)