「出発進行!」稲葉さんの号令で出発する税の作文列車(西御坊駅で)

 税を考える週間(11~17日)に合わせて16日、中学、高校生の税の作文20編を車内に掲示した紀州鉄道の作文列車が運行を開始。西御坊駅で出発式が行われ、中学生の税についての作文で近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞を受賞した日高高校附属中2年、稲葉千紗さん=美浜町=の号令で出発した。

 御坊納税協会(吉田擴会長)、日高納税貯蓄組合連合会(西田光作会長)、御坊税務署(山口美雪署長)が企画し、紀州鉄道株式会社の協力で3年目の取り組み。日高地方の多くの生徒が取り組んでいる「中学生の税についての作文」「税に関する高校生の作文」のうち、特に優秀だった作文を車内に掲示し、乗客らに読んでもらうことで税について考えてもらおうと、今年は中学生の9編、高校生の11編を掲示している。出発式では吉田会長が「中学生、高校生の税の作文は、税を負担している世代にもあらためて税を考えるよい機会を与えてくれる。出席者の皆さんもいま一度、税について考えていただき、正しい理解を広めるため、今後ともご協力をお願いします」とあいさつ。稲葉さんは、子宮頸がんワクチンを公費補助なしで3回接種すると4、5万円かかると医師に聞いたのをきっかけに、予防接種や多くの人が受けている新型コロナワクチンなど充実した医療制度が税金で成り立っていることに気づき、将来はしっかり納税したいと書いた近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞受賞作文「明るい未来をいつまでも」を暗唱。紀伊御坊駅の大串昌広駅長から、制帽、手袋などを受け取り、一日駅長に任命された。

 稲葉さん、西田会長、吉田会長、山口署長と来賓の大阪国税局徴収部の岡藤秀樹部長、日高附属中の山本直樹校長でテープカットが行われ、最後に「税」と書かれたヘッドマークをつけた列車が、稲葉さんの「作文列車、出発進行!」の合図で御坊駅に向け走り出した。

 稲葉さんは「朗読や一日駅長など、貴重な経験ができうれしかった。多くの人に作文を読んでもらい、みんなの健康のため多くの税金が使われていることを知ってほしいです」と話していた。作文列車は12月16日まで運行される。