県は4日、2023年度新政策と予算編成方針を発表した。新政策には「魅力ある和歌山の創造」と「くらしと経済を支える基盤づくり」の2本柱を掲げ、和歌山の強みを生かした施策を積極果敢に展開することで、人や企業から選ばれる魅力あふれる和歌山の実現を目指す。

 魅力ある和歌山の創造は、▽魅力あるまちづくり=市町村とともに「まちの構想図」の作成、地域の交通体系再構築▽人と企業を和歌山へ呼び込む=空き家を利活用した定額の住み放題事業、民間企業の人材が県のプロジェクトに携わる制度の構築▽DX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)の推進=県内事業者のeコマース(電子商取引)を促進、ドローン活用などの防災DX推進、県有施設への太陽光発電設備導入▽魅力ある産業づくり=外国人留学生の県内就職促進、AI解析を活用した藻場の調査、サスティナブルエコツーリズムの推進▽今後の地域経済をけん引するプロジェクトの推進=関西蓄電池人材育成コンソーシアムの主体的な参画、世界的な宇宙科学関連学会の誘致――などを進める。

 くらしと経済を支える基盤づくりでは、▽くらしと経済を守りぬく=災害拠点病院の強靱化、がん患者の就労・社会参加への支援▽安全・安心で心豊かなくらしづくり=結婚につながる機会の創出、AIを活用したサイバーパトロールの運用▽次代を担う人と発展を支える基盤づくり=読書に積極的に取り組み児童生徒や学校を表彰することで読書習慣の定着、持続可能な運動部活動に向けた環境整備――など。

 来年度予算編成方針は、スクラップアンドビルドや事務事業の見直しを徹底、既存事業はマイナス5%シーリングを原則とし、投資的経費は事業効果や緊急性などを精査しつつ、全体としての投資が財政健全化の妨げとならないよう努力する。

 今期限り(12月16日任期満了)での引退を表明している仁坂吉伸知事は「県政にとってこれは必要だと思う政策で原案をつくっておくので、新しい知事が思うように仕上げてくれればいい。来年度の政策について何も考えずやめるような無責任なことはできない」と述べた。