薬師堂で地元の人の話を聞く池田さん(左から3人目)ら

 地域の高齢者の暮らしを支える生活支援コーディネーター制度について、県のアドバイザーを務めるNPO法人全国コミュニティライフサポートセンター(宮城県仙台市)の池田昌弘理事長が30日、印南町を来訪。下真妻地区の地域活動について現場を視察し、住民との意見交換が行われた。

 生活支援コーディネーターとは、地域の高齢者が介護制度や施設をなるべく利用しないよう、自治体と連携して地域活動を行ったり、高齢者の見守りなどを行う役割の人。2016年から全国の自治体に配置されるようになり、印南町では19年から各地区の住民に業務を委託し、取り組みが行われている。

 下真妻地区では、毎月1回、生活支援コーディネーターの芝茂樹さん(72)を中心に地域の高齢者が西神ノ川にある薬師堂の清掃活動に取り組んでいる。西神ノ川では現在15世帯が生活しており、その半数以上は一人暮らしの高齢者。月1回の活動で、近所の人たちの健康づくりや安否確認にも役立っているという。

 意見交換では、芝さんが薬師堂の歴史や地域活動について説明。「薬師堂は450年歴史が続いていて、それを我々が大切に引き継ぐとともに、近所の人たちの憩いの場にもなっています」と紹介し、地域の実情なども説明した。

 池田さんは実際に活動している住民の話を聞き、「地域の大切なシンボルを住民たちで守っていき、近所の方たちのつながりが続いていることが素晴らしい。これからもぜひ続けていってほしい」と述べた。

 町内の見学はこの後、奥真妻、切目、古井、印南地区などでも行われた。