みなべ町で発見された新品種の光丸うすい

 御坊市塩屋町の県農業試験場暖地園芸センターで7日、みなべ町で発見された実エンドウの新品種「光丸(みつまる)うすい」の栽培研究会が開かれた。主力品種のきしゅううすいと比べて背丈が75%程度と低く、ハウス内での収穫作業の効率化につながることが大きな特長。JA紀州は2、3年後には種の販売を開始し、地域への普及につなげる。

 光丸うすいを発見したのはみなべ町東本庄の大野光男さん(68)で、2015年秋に種をまいた「きしゅううすい」の中から見つかった。暖地園芸センターなどが特性を調べた結果、莢(さや)の見た目や味はきしゅううすいとほとんど変わらないという。今年3月、「光丸うすい」として品種登録された。

 栽培研究会には試作生産者、JA関係者ら25人が参加。暖地園芸センターなどが20年度から実施してきた研究成果を発表した。同センターの宮前治加主任研究員が光丸うすいの栽培管理技術、JA紀州みなべ営農販売センターの萩野翔大営農指導員が現地試作結果などを説明した。

 宮前主任研究員は「ハウス栽培の場合、光丸うすいの収穫時期は12月ごろから4月末ごろまで。初期の収穫量が少ないという欠点があるが、きしゅううすいより5日程度早く種をまくことや、開花を促すために夜間の電照期間を長くすることで収穫時期を早めることができる」などと改善点を示し、収穫の作業性については「1分間に何個の莢を収穫できたかを調べる実験を行った結果、きしゅううすいの1・4~1・5倍の莢数を収穫できた」などと説明した。

 萩野営農指導員は試作生産者の栽培から得られたデータを報告し、「月別の収穫量では12月~2月までのきしゅううすいと比べて少ないが、3月以降は逆転して光丸うすいの方が多くなった。収穫時期全体では年によっても異なるが、光丸うすいが1割程度少なかった」と紹介した。

 意見交換も行われ、試験栽培したみなべ町の男性は「きしゅううすいを15年間栽培してきたが、光丸うすいを3年間つくってみた。背丈が抑えられるために作業性が良かった。収量が少なくなるというデメリットもあるが、個人的には収量よりも作業効率を優先したい」などと話した。

 暖地園芸センターは今年度末まで栽培マニュアルを作成する。