3度目の全国大会に出場するコア・ブレーメンの皆さん

 27、28日に東京で開かれる「第45回全日本おかあさんコーラス全国大会」に、印南町を拠点に活動する女声合唱団「コア・ブレーメン」が出場する。コロナ禍で思うような活動ができない時期を乗り越えつかんだ県代表。3度目の全国大会となる今回は、動画出演という形で歌声を全国に届ける。

 コア・ブレーメンは切目でピアノ教室を開いている早田和さん(64)を中心に、音楽愛好家の女性たちが集まって1991年4月に結成した。現在のメンバーは22歳から82歳までの22人。30年以上の歴史で、親子3代にわたって活動するメンバーもいる。結成当初から毎週木曜夜に公民館で1時間半の練習を欠かさず行っており、その実力は折り紙つき。過去2回この全国大会に出場しており、今回は3度目となる。

 このコロナ禍で練習が思うようにいかない時期が続いた。カラオケを中心にクラスターが発生したというニュースが報道されたときは、「集まって練習するのはどうなのか」という葛藤もあった。練習場所の公民館が使えなくなったり、練習に出てもしコロナになったら仕事に支障が出るとして、しばらく休むメンバーもいた。そこで大人数で集まるのは控えようと、5人程度の班に分けて練習をしたり、合唱用のマスクなども取り入れながら、なんとか活動を続ける道を探り、6月に行われた県予選で代表の座をつかんだ。早田さんは「コロナ禍の中で細々と練習を続けてきたことが、全国大会出場につながった要因だと思います」と振り返る。

 全国大会は「リアル出演」か「動画出演」を選べるようになっていた。県代表になってすぐの話し合いで決める際、開催日が盆明けの土日ということや70代が中心のメンバーのことも考慮して動画出演を早めに決めた。「感染の不安を抱えながら東京に行くよりも」という決断だった。出場は61団体中、動画出演はコア・ブレーメン含め4組ある。

 動画撮影は御坊市民文化会館のホールを使おうとしたが、当時はコロナが落ち着いていた6月で、予約はほぼ埋まっていた。なんとか7月10日におさえることができ、それまで週1回だった練習を2回に増やして全体練習を重ね、本番に備えた。動画は3回撮影し、3回目に撮った動画がベストだった。

 演奏曲は「このみち」「機(はた)織る星」の2曲。「このみち」は、詩人金子みすゞが結婚時に抱いた希望を書いた詩で、メンバーの想いと重なるとの意味でこの曲を選んだ。早田さんは「会場でうたえないのは残念ですが、全国の人に歌を聴いてもらえる喜びとともに、メンバーの〝歌が好き〟という想いを届けることができたら」と話している。コア・ブレーメンは28日午前10時からの前半ブロックに登場する。

 大会はライブ配信でも見ることができる。視聴料金は各ブロック1100円(税込み)。購入はチケットぴあ(℡0570―02―9111)。問い合わせは全日本合唱連盟℡03―5540―7813、メールevent@jcanet.or.jp