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官民連携でローカル線維持を

 JR西日本は23日、株主総会を開き、長谷川一明社長は2年連続で赤字決算になったことを株主に陳謝した。利用者が少ないローカル線の存続については、自治体との協議を加速する考えを強調、新たな交通体系の模索を行うと説明し、理解を求めた。

 4月、赤字ローカル線の収支状況を初めて公表した同社だが、そこには厳しい経営状況を自治体側にも認識してもらう狙いがあったとしている。沿線各地では続々、協議会などが開かれ、赤字回復のための利用促進策について議論が始まっている。

 JRは民営化されたとはいえ、鉄道路線は「公共交通機関」として位置づけられ、自治体にとって不可欠なインフラだ。JRを一企業として捉えたとき、経営不振のため事業を切り捨てることは当然だから廃線になっても仕方ないという声も聞かれるが、そのあたりの考え方は非常に難しい。赤字路線の公表は、鉄道路線というインフラの存続を自治体や関係各所と共に考えたいという、JRの社会的立場を考慮しての決断だったと推察する。

 わが県でも、新宮~白浜間が赤字路線として公表されている。7年前、きのくに線とアートを融合させたイベント「紀の国トレイナート」で、新宮駅発の臨時列車に乗車したことがあった。運営側には東京から来た若者もいて、彼らは「廃線寸前の田舎ローカル線を盛り上げることができて嬉しい」と言っていた。それを聞き「和歌山の基幹路線やのに廃線なんて」と思ったが、まさかそれが現実に迫られるとは。

 官民の創意工夫で路線を盛り上げ、「また乗車したい」と思える地域づくりを期待し、応援していきたいと切に思う。(鞘)

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