先日、日高附属中学校で行われたSDGs(持続可能な開発目標)の授業を取材した。1年生の取り組みで、今後1年間、SDGsについて学んでいく。SDGsは地球で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現するために、17の目標と169のターゲットが示されており、2015年に国連で採択された。

 授業は美浜町田井、㈲メモリアルウエストの畑哲良さんが講師を務めたが、印象的だったのはSDGsにはさまざまな“つながり”が重要ということ。目標4の「教育をみんなに」と目標6の「安全な水」は、一見関わりがないように見えるが、水道からきれいな水が出ないアフリカの子どもたちは、毎日家族のために遠くまで水を汲みにいっており、そのために教育を受けられない状態にある。同様に目標1の「貧困をなくそう」も教育への影響があるだろう。

 また、各目標は自分自身の行動にもつながる。インドネシアでは植物油脂を生産するために森林伐採が行われているが、それらの油脂は、スーパーで売られている大半のものに使われており、各個人も森林伐採に少なからず関わっていることになる。

 畑さんは「世界、目標はつながっており、私も起点」と呼びかけた。SDGsは環境や平等などごく一般的な目標が並んでいるようにみえるが、それぞれの繋がりは深い。日本は環境やジェンダーに課題があるとされており、国内の課題解決に取り組むのはもちろんだが、常に自身の行動が世界の問題につながっているという意識を持つことも大切だ。今回の授業をもとに、附属中生がどういった意識や考えを持って行動していくのか、取材を通じて追っていきたい。(城)