湯上さんに教わりながら炭火でコーヒー豆を焙煎する学生

 和歌山信愛大学の地域連携フィールド学習が21日、日高川町で行われ、町の取り組みや産業について学んだ。

 県内出身の学生が多い同大学は、地域の現地調査や文化体験、住民との交流を通して、豊かな自然や歴史、生活文化など郷土の魅力を再発見するとともに、現状を認識し、地域への愛情や課題解決に向けた熱意を育むために地域連携フィールド学習を実施している。

 この日は教育学部の学生13人が来町。初めに役場で、企画政策課の岡本安生課長から、町が推進している移住・定住や観光、地域再生などの取り組みについて聞き、紀州体験交流ゆめ倶楽部の原見知子副理事長から民泊や日帰り田舎体験を通した地域活性化の現状などを学んだ。防災・減災の拠点かつ、防災学習ができる町防災センターも見学し、避難所で利用する段ボールベッドの組み立てや水害時に水圧がかかった扉の開放などを体験した。

 町製炭研修所では、炭焼き職人の湯上彰浩さん(35)=坂野川、B―STYLE代表=を講師に、日本一の生産量を誇る紀州備長炭の製造工程や特徴、品質などの説明を受け、炭火でコーヒー豆の焙煎にも挑戦。強くて長持ちする備長炭の火を感じながら炒った豆をひき、コーヒーの試飲も楽しんだ。

 和歌山市の勝丸桃花さん(18)は「地域の取り組みや紀州備長炭の高い品質がよくわかった。体験を通し楽しく学ぶことが効果的なことも実感。幼稚園の先生を目指しているのでいい勉強になりました」と話していた。

 フィールド学習は、来月12日にも道成寺などで行われる。