設置された石柱と総代や塩屋文化協会員

 御坊市塩屋町北塩屋の塩屋王子跡に、「国史跡熊野参詣道 紀伊路 塩屋王子跡」と書かれた石柱が建てられた。2018年に国史跡の有形文化財に登録されたことを受けて設置。ほか、歌碑の移設、説明看板の設置などの整備も行われた。

 塩屋王子跡は熊野参詣道の紀伊路(紀伊半島西岸)に設けられた熊野九十九王子の1つ。境内に18世紀以降の石造物が残り、現在は塩屋王子神社として名残をとどめている。

 同神社は国、県、市の補助を受け、昨年度に保存活用整備事業を実施。新しい石柱は高さ1・8㍍で、正面の鳥居の北側に設置された。整備事業ではこのほか、境内にあった歌碑移転、歌碑などを説明する看板の新設などを行った。説明文は塩屋文化協会副会長の阪本尚生さんが手がけた。

 20日には神社総代の村上義德さん、塩屋文化協会の溝口善久会長、阪本副会長の3人が現地を訪れて確認。3人は「国の指定になって地元以外の参拝者が増えている。石柱や説明文が整備され、多くの人に国史跡の塩屋王子跡を知ってもらえる」と話していた。