本殿前で「豊栄の舞」を奉納する巫女

 江戸時代、大地震の津波から地域住民を守ったみなべ町の南部湾にある鹿島で3日、明神祭が行われ、感謝の気持ちを込めて3年ぶりに巫女の舞が奉納された。

 新型コロナの影響でおととし、昨年は規模を縮小した。今年も昨年同様だが、巫女の舞は復活した。

 神事は鹿島にある本殿で行われ、船で渡った鹿島神社の亀井隆行宮司と総代らが参列。亀井宮司が祝詞奏上などの神事を行い、参列者が玉串をささげて地域の安全などを祈願した。終了後は本殿前で巫女の舞を奉納。松下詩さん(15)、下村明郁さん(15)、井口梨々さん(15)の3人が「豊栄の舞」を息ぴったりに舞い、神事に花を添えた。

 亀井宮司は「好天に恵まれ、総代の協力で無事行うことができて感謝。コロナ感染の早期終息と今後起こりうるすべての災害よりお守りいただけるよう祈念しました」と話した。

 言い伝えによると、江戸時代の1707年の宝永の大地震と1854年の安政の大地震で発生した大津波の際、鹿島が自然の防波堤となって住民被害を抑えたという。