ペレット状の「りそうの肥料」

 下水処理場から出る汚泥を堆肥にする施設「みなべコンポストセンター」(みなべ町東本庄)は、オリジナルブランドの「りそうの肥料」を開発。みなべ町生まれの有機肥料で「ぜひ使ってほしい」とPRしている。

 みなべ町や田辺市の清掃業者11社でつくる株式会社再創社(りそうしゃ)=西山孝三代表=が2020年3月、元梅21研究センターの町有地にコンポストセンターを建設。5月から稼働し、6月には「りそうの肥料」を商品化。初年度は町内外の農家に無償提供して使ってもらい、昨年4月から20㌔入り250円(税込)で販売を始め、1年が経過した。

 化学肥料にはない微生物が多く含まれているのが特徴。微生物の働きによって成分が吸収されやすく、病原菌や病害虫の繁殖も抑えられるという。ペレット状で使いやすく、効果が長続きする。使った梅農家からは「葉が元気になった」「苗木に施肥したが、育ちがいい」などの声が聞かれている。西山代表は「品質には自信を持っています。まだまだ知名度が低いので、まず知ってもらえるようにPRして、少しずつでも使ってもらって効果を確認してもらいたい。農家さんや家庭菜園でも1袋から販売します」と話している。問い合わせはみなべコンポストセンター℡0739(34)2588(平日)。

 みなべ町では下水汚泥を焼却処理していた町内の焼却炉が2014年に廃止となって以降、紀の川市の民間企業へ持ち込んで堆肥化しており、コストがかさんでいた。梅21研究センターの跡地利用も課題となっていた中、同社が賃貸契約し、下水汚泥を堆肥化するコンポストセンターを建設。みなべ町、上富田町、田辺市の一部から受け入れている。