先月の今頃は各地で成人式が行われ、振り袖やスーツ姿の新成人たちが大人の仲間入りを果たした。そんな「成人」だが、ことし4月から成人になる年齢が、現行の20歳から18歳に引き下げられる。

 民法で定められている成人は、「一人で契約をすることができる年齢」「父母の親権に服さなくなる年齢」という意味がある。携帯電話を契約したり、アパートなどの部屋を借りたり、クレジットカードをつくったり、ローンを組むなどということが、自身でできるようになる。また親権に服さないため、自分の住む場所や進学、就職なども自分の意思で決定できるようになり、他にも10年有効のパスポートを取得したり、公認会計士や司法書士、行政書士などの資格を取得したりすることもできるようになるという。

 これまでは「成人になる」ということは大人の仲間入りし責任ある行動が求められるのはもちろんだが、飲酒と喫煙が可能になるというのが象徴的だった。しかし、今回の成人年齢引き下げについては飲酒、喫煙、競馬などは該当せず、これまで通り20歳以上なので注意が必要だ。

 また一人でさまざまな契約を交わすことができることで、詐欺的な契約の被害に遭う可能性も高い。先日、和歌山高専では4月から成人となる3年生を対象に弁護士による法律講座が開かれ、さまざまな労働契約や商品売買に関するトラブルを学んだが、今後こういった講座が各学校でも行われていくのだろう。

 明治時代から約140年ぶりの成人年齢の変更。4月からの新成人たちにはさまざまなトラブルから身を守るすべを身に付けるとともに、自身の権利を認識し積極的に社会に参加する大人になってもらいたい。

(城)