クスノキの上に設置されたさい銭箱

 印南町印南原、大歳神社に高さ4㍍の位置にあるさい銭箱に銭を放り投げてお参りする、ちょっと変わった「楠之宮」が祭られている。

 1886年(明治19)に再建された同神社本殿の横には楠社があり、そこから5年前に御霊(みたま)分けされ、鳥居横のクスノキの上の二股になった部分に祭られたのが楠之宮。このクスノキには妊婦のお腹のようなふくらみがあるため、以前からふくらみをさすって安産を祈願する人がおり、楠之宮にお参りすれば安産と金運のご利益があるとされている。

 お参りの作法も設定されており、さい銭を投げて箱に入れるチャレンジは3回まで。3回挑戦しても入らない場合は「あきらめが肝心」としているが、救済措置もあり、木の下に設置されたさい銭箱に入れることができる。

 知る人ぞ知るパワースポットには年中通して町外からもお参りに来る人がいるそうで、平野聖翔宮司は「クスノキは成長が速く、丈夫で縁起のよい木。そこに祭られた楠之宮のご利益が皆さまにありますように」と願っている。