今年度御坊市文化賞受賞者が決まり、おおたにクリニック院長の大谷和正氏(69)=名田町野島=と、御坊少年少女合唱団(洲﨑郷代表)が選ばれた。大谷氏は生活文化、合唱団は地域文化の向上にそれぞれ功績があったとして受賞。表彰式は11月2日午前10時半から、御坊市民文化会館で行われる。

 大谷氏は1977年に大阪大学医学部を卒業後、96年に地域の要望に応える形で当時無医地区だった名田町に小児科・内科を中心とした現クリニックを開業。高齢者ら地域に親しまれ、信頼される医師として地域医療に貢献する一方、専門の小児神経学分野、特にてんかんや発達障害児に対する医療・保健の充実、早期発見と相談・援助体制の向上に努めてきた。

 同市では97年から乳幼児健診担当医、98年から障害児保育専任医、99年から学校医、園医を委嘱され、現在は障害児発達支援検討会委員、就学指導委員会委員ほか、御坊・日高圏域自立支援協議会子ども部会委員を務めている。2002年から昨年まで日高医師会母子保健担当理事や学校医部会会長として喫煙防止事業を推進。09年の新型インフルエンザ流行時のワクチン接種、17年の小・中学校でのノロウイルス感染では担当理事として保健所や市との調整・連携・支援に尽力した。

 受賞に「名田地区をはじめ近隣住民、地域の保健・教育・保育・福祉関係、医師会の仲間、明るい笑顔の子どもたちと保護者の皆さまにお礼を申し上げたい。後しばらくの間、地域の皆さまのお役に立てるよう、与えられた職務に励みたい」。

 御坊少年少女合唱団は子どもたちに音楽の素晴らしさや楽しさを伝えたいとの思いから1980年に結成。活動を通して子どもたちの主体性や協調性を育むとともに、お互いを思いやる気持ちや合唱を聴いてくれる人に対する感謝等、人間的な成長も視野に入れて活動に取り組んでいる。

 現在の団員は4歳から20歳まで28人。これまで1997、2012、17年に国民文化祭で「合唱の祭典」に出場し、県内開催の今年度も参加予定になっている。自主活動として市民文化会館で年1回定期演奏会を開催。昨年は第40回を開いたほか、県少年少女合唱団の合同演奏会やクリスマスの夕べにも毎年参加している。

 このほか地域のイベントや病院、介護施設でのミニコンサートにも参加。「子どもたちが元気いっぱいうたう姿を見て元気をもらっています」という声が寄せられており、受賞に洲﨑さんは「感動しています。42年目の活動に入りましたが、これまでの団員、保護者の皆さま、結団から今まで応援してくださった方々のおかげでここまでこられました。心から感謝しています。子どもたちの歌声がこの地で響き続けられるよう、これからも頑張っていきます」と話している。