21日から30日までの秋の全国交通安全運動期間中、御坊市野口地内の市道で、持ち運びができる速度違反自動取り締まり装置(可搬式オービス)での取り締まりが行われた。可搬式オービスは人員が少なくてすみ、狭い通学路や生活道路でも実施が可能。子どもやお年寄りら歩行者を守るための速度抑止や事故防止に大いに期待が持てる。

 御坊署によると、可搬式オービスは2019年春、県警本部が導入、運用を始めた。道路に設置されている固定式オービスと同じ仕組みで、レーザーで速度を測定し、速度超過の車を自動で撮影して記録。その場で検挙するか後日、運転者に違反を連絡し、警察に出頭を求める。

 警察官が測定器で速度を測る取り締まりでは、違反した車を止めてドライバーに伝える停車スペースの確保が必要となり、幅の狭い道での実施は難しかったが、可搬式オービスでは停車スペースが不要。取り締まりの場所が限られず、また、これまでは違反した人の誘導などに少なくとも5人程度の人員が必要だったが、可搬式はそれより少人数で運用できるという。

 県外の高速道路でも可搬式オービスでの取り締まりがニュースになっていた。特定の場所に設置された固定式では場所を把握し、その付近だけ速度を落とすドライバーもいるだろう。可搬式は思わぬところで取り締まりができる。スピードの抑制や事故の防止に向けた警察の「見せる活動」。ドライバーはどこでも取り締まりが行われると意識し、制限速度を守った運転を心がけよう。いや、オービスを気にするのではなく、そもそも制限速度をはじめ、ルールを守った安全運転をする必要がある。(笑)