写真=受賞した豆と認定証を手に中村さん

 世界最高峰のシェフとソムリエでつくるITI(International Taste Institute/国際味覚審査機構)の2021年度審査会で、御坊市薗のカフェ・バー「ATARU.CAFE」を経営する中村直樹さん(48)のコーヒー豆「№55オリジナルブレンド」が、優秀味覚賞(Superior Taste Award)の「二つ星」を受賞。6日、三浦源吾市長に報告する。

 ITIは05年の設立で、ベルギー(ブリュッセル)を拠点に、世界中の食品・飲料品の味覚を審査。優れた製品を表彰・プロモーションしている。審査会は毎年ブリュッセルで開かれ、審査は世界で権威のある調理師協会や国際ソムリエ協会に所属する一流シェフとソムリエの中から厳選された、大規模な審査グループによる徹底した目隠し方式によって行われる。

 各審査員は「味覚そのもの」に特化した厳格な手法で、「第一印象」「外観」「香り」「味」「食感(食品)/後味(飲料品)」という客観的な5つの官能評価基準に従って「おいしさ」を評価。総合評定100点満点中70点以上で、90点以上に「三つ星」(極めて優秀)、80点以上90点未満に「二つ星」(特記に値する)、70点以上80点未満に「一つ星」(美味しい)という3段階の「優秀味覚賞」が贈られる。

 今年度は今年5月中旬に行われた春の審査会と、20年に新設された秋の審査会の結果を合わせ、2218点の食品と飲料品が優秀味覚賞を受賞。出品数が前年度と比べて約4割増加し、世界の食品・飲料品業界の注目が集まるなか、日本からは218点が受賞し、内訳は一つ星24%、二つ星46%、三つ星29%だった。

 中村さんは14年にコーヒーコーディネータの資格を取り、コーヒー豆をブレンド。焙煎はコーヒー専門店「山中本家」(御坊)に協力してもらっている。「おいしい」をブレずに追求。県産品カタログへの出品をきっかけに昨年、ITIの日本スタッフからオファーを受け、エスプレッソ、ラテ、カプチーノ、アイスコーヒーとしてオールシーズン提供、好評のオリジナルブレンド豆をエントリーし、総合評定83点を獲得した。

 優秀味覚賞を受賞した豆はブラジル、コロンビア、インドネシアのブレンド。酸化、劣化を防ぐため、大量の在庫は抱えず、アイスコーヒーではオーダーを受けてから1杯ずつ「急冷式」で提供している。受賞に「『おいしいコーヒー』をブレずに追求してきてよかった。考えたレシピを実現させてくれた山中珈琲さんの協力があってこそで、私一人でもらった賞ではありません」と笑顔。「コロナが落ち着いた後、優秀味覚賞受賞のコーヒーを飲みに、一服しに来てもらえればうれしい」と話している。