和歌山労働局(池田真澄局長)は29日、5月の県内の一般職業紹介状況を発表。有効求人倍率(季節調整値)は1・13倍で前月より0・05㌽上昇したが、依然として新型コロナが雇用に与える影響は大きく、厳しい情勢が続いている。

 5月の県内企業の求人は、1万6746人(季節調整値)で前月より3・6%増えた。増加は3カ月連続。求職者は1万4813人で前月より1・2%減り、2カ月ぶりの減少となった。有効求人倍率は1・13倍となり、前月から0・05㌽上昇。3カ月連続でわずかに増加している。近畿の有効求人倍率は1・05倍で、全国は1・09倍だった。

 新規求人数は、5285人(原数値)で、月の前半が新型コロナで最初の緊急事態宣言下だった前年同月より13・4%増加しているものの、おととしの同月よりは19・4%少なく、コロナ前の水準には達していない。新規求職者数は2914人で前年、前々年同月をいずれも下回った。正社員については、有効求人倍率が0・79倍(原数値)で2カ月連続して前年同月より増加した。

 池田局長は「求人が求職を上回り、求人倍率、新規求人倍率がいずれも前月を上回っているものの、5月はコロナの新規感染者数が比較的落ち着き、離職者もそれほど多くなかったことや、今年度産の梅の着果が好調で梅加工業など季節的な食料品製造業の求人が増加したことなどが要因。おととしの水準には達していない」とし、「求人が弱含んでおり、依然として厳しさがみられる。新型コロナが雇用に与える影響に引き続き注意する必要がある」と述べた。