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立命館大の河原教授がカナダ移民の研究書発刊

写真=カナダ移民について詳細に考察した研究書

 美浜町三尾など日本出身のカナダ移民について考察した研究書「カナダにおける日本人水産移民の歴史地理学研究」が、古今書院から出版された。著者は立命館大文学部教授の河原典史氏。豊富な写真や資料を用いながら、明治初期に始まるカナダ移民の歴史について詳細に考察している。

 河原氏は1963年、東大阪市出身。立命館大学文学部地理学科地理学専攻卒業、同大学文学研究科地理学専修博士後期課程単位取得。同志社中学校教諭、立命館大学文学部助手・専任講師・助教授(准教授)を経て同大学教授に。これまでにブリティッシュ・コロンビア大学日本研究所客員研究員を務め、「水産移民に関する歴史地理研究」で地域漁業学会奨励賞を受賞した。

 本書は「カナダ日本人漁業移民の再考」「サケ缶詰産業をめぐる日本人移民」「バンクーバー島西岸における漁村の開拓」「スティーブストンにおける日本人造船業」「水産移民の分業システムとネットワーク」等の9章から成り、これまで「漁業移民」とみなされていた日系カナダ移民について、加工・造船業なども含め「水産移民」として捉え直した点が大きな特色。 「カナダ移民の父」と呼ばれる工野儀兵衛の呼びかけで、三尾からの移民が多く居住していたスティーブストンには「キャナリー」と呼ばれるサケ缶詰工場がたくさん建てられており、その多くは水上家屋という形式だった。また、スティーブストンでは漁船の動力化が進み、和歌山県南部から船大工を呼び寄せることが多くなった。この動力漁船の普及によって、バンクーバー島の西岸で漁村の開拓が行われたという。

 本書ではそれらの詳細について、日系人移民の手記や写真、家系図などの史料を駆使して解説。「ファミリーヒストリー」を明らかにしながら、当時の社会状況などを検証している。

 A5判、ハードカバー、全313㌻。定価7800円(税別)。インターネットなどでも販売。

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