和歌山労働局(池田真澄局長)は29日、12月の県内の一般職業紹介状況を発表した。有効求人倍率(季節調整値)は0・95倍で、前月と変わらず、5カ月連続で1倍を切る低水準。依然として厳しい雇用情勢が続いている。

 県内の12月の求職者は1万5989人(季節調整値)で、8カ月連続で増加。企業の求人は、1万5172人で2カ月ぶりに増加したものの、有効求人倍率は前月と同じ0・95倍となった。新規求人数(現数値)は、5443人で、12カ月連続で前年同月より減少しているが、新型コロナにより1回目の緊急事態宣言が出された昨年4月以降は前年より1000人以上減少した月が多い中、12月は387人の減少にとどまった。産業別では、宿泊、飲食、サービス業で前年より72人多く、現在は停止されているがGo Toトラベル事業の効果とみられている。

 ハローワーク別の有効求人倍率(現数値)は、8ハローワークのうち、御坊の1・36倍(0・11㌽アップ)など6ハローワークで1倍を超え、1倍を切っているのは、和歌山(0・86倍)と海南(0・98倍)。池田局長は「雇用回復につながる好材料はあるものの楽観はできず、新型コロナが雇用に与える影響に、引き続き注意する必要がある」と述べた。

 2020年の平均有効求人倍率は1・05倍で、19年より0・36㌽低下。リーマンショック時の08年は有効求人倍率が0・56倍で、下落幅は0・28㌽、オイルショック時の75年は0・57倍で0・47㌽の下落で、前年差がそれに近い水準になっていることについては、「下げ幅だけ見れば、近いものがあるが、20年は辛うじて有効求人倍率1倍を維持しており、一概に同じ状況とは言いきれない」と話していた。