写真=顕彰状を手に弓倉さん㊨と梶原代表

 作業の安全確保に優秀な成績を挙げた「職長」をたたえる今年度の安全優良職長厚生労働大臣顕彰の受賞者が決まり、日高地方から株式会社梶原土建リサイクルセンターの工場長弓倉守一さん(51)=御坊市湯川町富安=が選ばれた。勤続31年の弓倉さんは工場長として部下らへの安全指導、教育に尽力。取引業者の運転手に対する安全確保に努め、無事故無違反に貢献している。

 職長は、事業場で部下の作業員を直接指揮監督し、作業の安全確保に責任を持って、第一線で安全を実現する監督者。「安全のキーパーソン」といわれる。顕彰制度は1998年度にスタートし、今回は優れた技能と経験を持ち、担当する現場や部署で作業の安全を確保して、優良な成績を挙げた全国の113人を安全優良職長として、厚生労働大臣が顕彰。県内からは弓倉さんを含めて2人が受けた。

 弓倉さんは20歳のときから同社に勤め、家屋の解体業務等に従事。2002年3月、御坊市湯川町富安にセンターが竣工してからは、職長として重機オペレーター、廃棄物等選別作業、従業員らへの安全指導・教育を行っている。

 工場内美化指導責任者として事故防止のために廃棄物等置き場の整理整頓、重機全般指導責任者としてショベルカーのメンテナンスやオペレーションの指導を実施。工場長としては取引業者の安全を確保するため、機械のメンテナンスや扱い方、施設の衛生管理等の指導を行うミーティングを開いている。

 センターは建設・解体現場で出たコンクリート、アスファルトのガラやがれきを破砕し、再生砕石(リサイクル砕石)に製品化。ガラを持ち込むダンプは多いときで一日170台に上るという。従業員はもちろん取引業者の安全が第一。工場内の交通整理も行い、安全管理を徹底している。

 今年度は新型コロナウイルスの影響で顕彰式典が実施されず、届いた顕彰状を手に弓倉さんは「光栄です。これからもお客さんをはじめ、安全第一でやっていきたい。私以外の部下らも顕彰を受けられるよう、安全指導・教育に努めたい」。同社の梶原亘理代表取締役(74)も「創業約40年、本当にありがたいこと。これからもお客さんや従業員の安全に目配りし、頑張っていきたい」と笑顔を見せている。