みなべ町の魅力を伝える「まちキャンパスプロジェクト」(上野章チームリーダー)と和歌山大学観光学部がコラボして、中・高・大連携で世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を学ぶ新しい企画「世界農業遺産オンラインカフェ」が18日からスタートした。来年3月まで全6回、梅産業やミツバチ、紀州備長炭など梅システムについて専門家の講義をオンラインで受け、交流しながら知識を深めていく。

 上野さんは若い世代に世界農業遺産を学んでもらい、同世代や次世代につないでいってもらおうとまちキャンプロジェクトに取り組んでいる。昨年度からは和歌山大学生が参加しており、みなべ町で見て、聞いて、体験して梅システムについて学んでいる。今回は、地元の若い世代を対象に学習機会を作ろうと、中学、高校、大学の連携を発案。南部高校と高城中学校生が参加することになり、新型コロナ禍でも実践できるようにとすべてオンラインで実施することになった。内容は、世界農業遺産になぜ認定されたのかの概略の勉強や地域の素材を生かす方法、南高梅の良さ、梅栽培とミツバチの役割、紀州備長炭や森林管理などについて、専門家を講師に招いて勉強していく。

 初日はキックオフとして和大生7人や観光学部の出口竜也教授、南高生、高城中教諭、上野さんらがウェブ会議ツールのZoomを使って顔を合わせ、自己紹介や開講趣旨の説明などが行われた。南部高校は異文化交流クラブの上野拓海君、沼野竜久君、小山陽登君、前田涼介君の4人と種治宏樹顧問が参加。司会者から「みなべ町の魅力は」と質問があり、上野君が「梅、備長炭、そして温かい人が魅力です」などと答えていた。高城中は、この日は教諭2人が参加したが、2回目以降は生徒が参加する。参加している和大生の中にはみなべ町や御坊市出身の学生もいて、もっと知識を深めることを楽しみにしているとの話が出た。まちキャンの上野さんは「子どもがまちでガイドできるようなまちにしたい。大学生、高校生、中学生、そして小学生も含めて住民みんなが世界農業遺産を勉強し、発信していけるようにしていこう」と呼びかけた。

 初回を終え、沼野君は「みなべの農業遺産が世界の人たちに知られるように、もっと知識を深めて多くの人に伝えていきたい」と話した。

写真=オンラインで自己紹介する南高生(右奥は種治顧問)