信号機のない横断歩道で、歩行者がいる場合に自動車側が一時停止した割合をまとめた全国調査の結果、和歌山県の一時停止率は全国平均の21・3%を下回る15・9%。全国ワースト15位となり、停止率、順位とも年々改善傾向にあるが、依然として8割以上のドライバーが停止していない状態。御坊署は、歩行者が巻き込まれる交通事故を防ごうと、ドライバーに歩行者優先の徹底を呼びかけている。

 一般社団法人日本自動車連盟(JAF)が行った信号機がない横断歩道の実態調査。8月12日から26日までの平日、全国47都道府県で各2カ所ずつ、一日計100回、片側1車線の直線道路で調査員が横断歩道を渡り、止まった車の台数を調べた。

 和歌山県の一時停止率は、2018年度が1・4%でワースト3位、昨年度が8・9%で同10位。今年度は7・0%改善し、順位は5つ上がったが、全国平均を5・4%下回る結果となった。今年度のトップは長野県の72・4%。近畿では兵庫県が57・1%で最も高かった。

 横断歩行者妨害は道路交通法違反で、御坊署によると、罰則は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金、反則金は普通車9000円、違反点数2点。原則的に車は横断歩道に近づけば、手前ですぐに停止できるスピードに減速し、横断者や横断しようとする人がいないか確認。いれば一時停止し、歩行者を横断させるのがルールになっている。

 横断歩道の歩行者優先徹底へ、県警が対策を強化するなか、御坊署は白バイを中心に徹底的な取り締まりを実施。交通課の児玉高幸課長は「一時停止率も順位も改善されましたが、まだまだドライバーの歩行者保護の意識は低い。さらなる歩行者の安全確保、マナーアップへ、引き続き取り締まりや街頭指導を強化していきます。横断歩道は歩行者が安心して渡るところ。ドライバーの皆さんには『気付かなかった』『いけると思った』ではなく、歩行者がいるか確認してルールを守っていただき、違反があれば厳しく対処していきます」とし、「事故は起こしても起こされても大変なこと。歩行者の方も道路を横断するときは横断歩道を渡り、手を上げるなど意思表示をして、しっかり車の停止や左右の安全を確認してください」と呼びかけている。