2020年度県文化表彰の受賞者が決まり、日高地方関係では御坊市出身の歴史学者、小山譽城(よしき)さん(69)=和歌山市在住=が文化功労賞を受賞する。表彰式は16日午後2時から、県庁で行われる。受賞は文化賞1人、文化功労賞2人(故人含む)、文化奨励賞3人と1団体。

 小山さんは国学院大学大学院修士課程修了。在学中から徳川御三家の付家老(紀州藩の安藤家・水野家)について研究を進め、2005年に研究書「徳川御三家付家老の研究」を刊行、翌年に国学院大学から歴史学博士の学位を受けた。研究と並行し、県古文書調査員として本宮・新宮・那智・高野山地域の古文書を調査。県教育史、和歌山市史、御坊市史、田辺市史など多くの自治体史の編纂(へんさん)委員も務めた。

 高校教員としても社会科教育の充実と教員の資質向上に尽力し、県教委から教育研究奨励賞を受賞。14年には御坊市文化賞も受賞した。現在は和歌山信愛大学・同女子短期大学の非常勤講師を務める。

 小山さんは受賞に際し、「小学生の頃から和歌山の歴史に興味を持ってきました。歴史は現在と過去との対話であり、未来を洞察するために学ぶもの。今後も研鑚を重ね、郷土の歴史と文化について一人でも多くの方々に関心と誇りを持っていただけるよう研究を通じて貢献できればと思っています」と話している。