米国大統領選が来月3日の投票まで1週間を切った。日本国内で伝えられるニュースをみる限り、情勢は選挙人の多いカリフォルニア、ニューヨークをおさえて民主党のバイデン氏がリード。現職トランプ氏が苦戦しているという。

 日本の政治評論家、ジャーナリストの予想をみると、地上波テレビに出てくるリベラル・左派はバイデン氏を有利とし、主にラジオやネットを主張の場とする保守派はトランプ氏が勝つという見方が多いように感じる。

 選挙権のない日本人がいくら騒いでも情勢は変わらないが、やはり世界最強の超大国、かつ同盟国である米国のリーダーが変わるかどうかは大いに気になる。経済や安全保障の影響を考えれば、わがまちの首長以上に重要な問題であろう。

 情勢に大きく影響するといわれるテレビ討論会のニュースは、罵り合うシーンが強調された。言葉が分からない日本人はそればかり見せられると、肝心の政策論争以前に疲れてしまうが、当の米国民はこれをどう見たか。

 全世界共通の課題である新型コロナ対策については、マスクを義務化のうえ一部都市のロックダウンを継続するのか、重症化リスクの高い人を保護しながら社会・経済を開放するのか。前者はバイデン氏、後者はトランプ氏の主張である。

 米国世論も強硬支持に傾きつつあるといわれる対中政策。一見、両者の主張に大きな違いはないようだが、再選後もとことんいくであろうトランプ政権に対し、バイデン氏の国際協調が弱腰と映らずどこまで理解を得られるか。

 まるで子どもの喧嘩のような2人の討論、民主党リードの世論調査をみると、まさか、4年前のデジャビュ(既視感)のよう。結果やいかに。 (静)