今月12日に開幕した日高地方の地域活性化イベント「御坊日高博覧会2020」=通称御博(おんぱく)=が27日、無事終了した。今年は新型コロナ禍、期間やプログラム数を例年より縮小したが、リモートで楽しめたり、行政主導の屋外イベントなどこれまでにない新たな魅力を発見する16日間となった。最終日には関係者への感謝の気持ちを込めて花火が打ち上げられ、華やかなエンディングとなった。

 今年で6年目となった御博は、新型コロナの全国的な感染拡大に伴い一時は中止も検討したが、新しい生活様式の中で感染予防を徹底しながら、少しでもまちを明るく元気づけたいと開催した。例年は40日前後の期間を設けるが、16日間に短縮。プログラム数も少し減らし、屋外やリモートなどの内容を増やした。

 「田んぼで遊ぼう泥んこ運動会」、行政が中心となった「大型野生動物、捕獲して食べてみる」など初めてのユニークなプログラムもあり、大いににぎわった。

 26日には日高町志賀(柏)の「Coast Cafe楽」で、日高地方の観光を考える会議「『Hidaka History』をご存じですか」(湯川克巳案内人)が開かれ、7市町の魅力をアピール。日高町はクエや熊野古道(鹿ケ瀬峠)など、由良町は白崎海洋公園や戸津井鍾乳洞など、みなべ町は世界農業遺産の「梅システム」や千里の浜に上陸するウミガメなどを紹介した。会議の様子は録画収録し、動画サイト「ユーチューブ」に投稿してPRする。最終日にはリモートで楽しめる「おうちでビブリオバトル」なども開かれ、盛り上がった。

 すべてのプログラムが終了し、最後にはコロナ禍でも参加してくれたパートナーや参加者、すべての関係者に感謝の気持ちを込めて日高川河口で花火を打ち上げた。3密を避けるため、一部の関係者以外には知らせず、シークレットで実施。わずか1分余りだったが、75発の大輪が澄んだ夜空を焦がし、華やかな閉幕となった。

 谷口光実行委員長は「エンディングイベントはできませんでしたが、花火でいい終わり方ができた。コロナ禍でも無事開催できたのは関係者の皆さんのおかげ。少しでもお礼の気持ちを伝えたかった」と感謝し、「まだ集計できていませんが、参加者から好評だったとの声が届いています。コロナ禍だからこそ気づいた地域の魅力があったと思うので、本当に開催してよかった」と話していた。

写真=日高川河口で打ち上げられた花火