梅の生産量日本一を誇る和歌山の梅酒として一層ブランド力を高めていこうと、みなべ町で「GI和歌山梅酒管理委員会」が発足した。オール和歌山で製造される「和歌山梅酒」が近く国の地理的表示制度「GI」に指定される見通しとなり、今後は県内の酒造会社、梅干し加工業者、梅農家など梅酒を製造する関係者がスクラムを組んでGIを前面に出して世界に魅力を発信していく。

 GIは、産地名の適切な使用を促進する国の制度で、指定を受けることで品質の高さ、信頼性、安全性、ブランド力が大きく高まる。類似商品は取り締まりの対象となり、ブランド価値が保護されるメリットもあり、特に海外ではGI指定商品が消費者から高い信頼を集めていることから、世界にアピールするための大きな後押しとなる。

 国内の酒類は現在、清酒や焼酎など12品目がGI指定を受けており、和歌山梅酒は13番目、リキュールでは全国初となる。現時点では今月上旬にも指定される見通し。指定後は、県内で収穫された新鮮な青梅または完熟梅のみを使い、県内で製造されたものなど基準をクリアすれば和歌山梅酒として販売できる。

 みなべ町内で梅酒を製造している加工業者や梅農家でつくるみなべ梅酒の会のメンバーをはじめ、県内の酒造会社、加工会社などが力を合わせ、日本一の梅の産地で作られ、世界でも高い評価を受けている和歌山の梅酒のブランド力をさらに磨いていこうと、GI指定に向けて取り組んできた。指定のめどが立ったことで、今後の戦略などを検討していく核となる組織として「GI和歌山梅酒管理委員会」を設立することにし、発足総会を開いた。

 総会には梅酒製造関係者、行政関係者ら約50人が出席し、会長には発起人の中野BC㈱(海南市)の中野幸生会長を選出。副会長にはみなべ町の㈱梅一番井口の北村泰之取締役、理事には同じく横山食品㈱の横山誉士代表、㈱ウメタの泰地雄也取締役らが選ばれた。

 中野会長は「力を合わせて盛り上げていこう」と団結を求め、県の関係者も「地域ブランドが保護され、ビジネスチャンスになる。県としても応援していきたい」とあいさつした。和歌山梅酒の認証ロゴも発表された。

 今後はポスターやチラシを作成しての周知、SNSでの情報発信、イベントでのPRなどを進めていく。

写真=あいさつする中野会長