三尾のカナダ移民史を研究する京都外国語大学の取り組みで、カナダのBC州スティーブストン在住の移民2世の男性と、美浜町三尾に住む男性のいとこの娘が29日、ビデオ会議アプリZoomで初めて顔を合わせた。

 移民3世でノースアイランド大学副学長の堂前リサさんが以前、自身のルーツを探しに三尾を訪れた際、父サダオさん(88)=スティーブストン=のいとこの娘平尾晴美さん(79)の存在を知ったことがきっかけで、サダオさんが平尾さんに会うためにウェブ対面が実現。サダオさんは、1932年にカナダで生まれ、リッチモンドで漁師をしていた。戦時中は強制収容所に送られた経験があり、三尾へは一度も訪れたことがない。

 平尾さんの亡き父、浜忠雄さんはサダオさんのいとこになるが、サダオさんも平尾さんも、互いの名前を知らないまま過ごしてきた。

 今回は三尾のカナダミュージアムから、平尾さんとミュージアムの三尾たかえ館長、リッチモンドのサダオさん、バンクーバーのリサさん、京都外国語大の河上幸子准教授の4者を結び、パソコンの画面越しに対面。サダオさんは「三尾弁」を使い平尾さんに、「忠雄さんによく似ている」などと話し、互いが知る親類の消息を尋ねたりした。

 平尾さんは「サダオさんは父やおじにそっくり」と話し、「消えていた縁をつないでもらい、こうした形で会えることがとてもうれしい」と喜んでいた。

写真=画面越しに対面する平尾さん(左奥)とサダオさん