「お盆に泳ぎに行ったら、水の中へ引きずり込まれるで」。子どものころ、祖母に言われた。お盆はあの世から帰ってきた先祖の霊を供養する時期で、いわゆるレジャー場所で遊ぶのは不適切ということだろうか。実際、今年のお盆もコロナ禍でも人は多く、事故も増加。危険なところに近寄らず、伝統行事を守る教訓的な意味合いもあるのだろう。

 そんななか、14日に田辺市の日置川で、和歌山市から遊びに来ていた親子が亡くなるという事故があった。報道によると、30歳の父親と9歳の長男が溺れているのを近くにいた人が見つけて119番通報。その親子らは家族4人で川沿いにあるキャンプ場を訪れて川遊びをしていた。家族が2人の姿が見えないことに気づき、近くにいた人が水中に沈んでいる2人を助け出したが、すでに意識はなかったという。

 今年は日高川町の日高川でも6月、大阪市から来た52歳の男性が犠牲になっている。男性は妻と飼い犬とともに訪れて川で遊び、一度は河川敷の車に戻ったが、再び犬と一緒に川へ行き、その後、犬だけが車に戻ってきたため、妻が助けを求めて通報。御坊署と日高広域消防や地元消防団が捜索を続け、7月に美浜町の煙樹ケ浜で遺体が見つかった。

 コロナや夏休み短縮の影響はあるが今年の夏も、川には水遊びをする子どもやレジャー客の姿。御坊市消防で聞いた主な注意点は「悪天候時や危険な場所での遊泳はしない」「保護者は水辺の子どもから目を離さない」「飲酒して水に入らない」などで、地元はもちろん、よそから来るレジャー客にも知ってもらい、これ以上、水の事故が起こらないよう願いたい。(笑)