御坊市の社会医療法人黎明会北出病院リハビリテーション科に勤務する、佐藤秀幸さん(33)=日高町高家=が、公益社団法人日本理学療法士協会の認定理学療法士を取得した。同病院3人目。スポーツ理学療法の専門分野(領域)は初めて。

 認定理学療法士は7分野23領域それぞれの領域に対し、専門的な技術や知識を有する理学療法士に与えられる制度。取得には理学療法の専門性を高めるプログラムを受講し、2年間以上の事務経験が必要で、最後に年1回の試験に合格しなければならない。

 佐藤さんは理学療法士として2010年から同病院に勤務。3年前から主に急性期病棟やスポーツ外来の患者にリハビリを行っている。スポーツの専門分野では、けがや病気で休養を余儀なくされた選手の競技復帰や再発予防をサポート。高いパフォーマンス発揮のため、効率のいい動きや正しいフォームを指導している。

 小学校から高校までサッカーをしていた佐藤さん。理学療法士となり、より専門性を高めようと、認定理学療法士を目指した。子どもら選手の競技復帰がやりがいで、症状の緩和、消失による「大丈夫」「痛くない」の言葉がうれしい半面、再び病院に訪れたときは複雑な思いになる。

 「子どもは身体の管理をして、初めてスポーツをやっていると言えると思う。そういう認識を持ってもらえれば。スポーツにけがはつきもの。できるだけけがをしにくい情報を選手はもちろん、家族や指導者ら関係者に提供したい。競技によって起こりやすいけがは偏るので、競技の特性、選手の身体機能、動作能力に合ったトレーニングやケアの方法を伝えたり、体験してもらったりしていきたい」という。

 スポーツ整形がある病院は有田地方以南で北出病院だけ。「和歌山市や県外に行かなくてもリハビリが受けられるよう、もっともっと能力を高めていきたい」と笑顔を見せる。

写真=認定証を前に佐藤さん