和歌山など39県で緊急事態宣言が14日に解除され、大阪、京都、兵庫でも解除される見込みとなっている。学校の再開など段階的に日常に戻りつつある一方、「新しい生活様式」が公表された。「会話する際は、可能な限り真正面を避ける」「名刺交換はオンライン」とこれまでの常識が覆り、「食事のときは料理に集中し、おしゃべりは控えめに」など、楽しみ方が全く変わってしまうような内容で、個人的には順応できるのか心配になる。

 高齢者の健康や居場所づくりの活動を行ってきた現場は、感染症対策と体操教室やサロンの再開について、悩ましいことだろう。美浜町の地域包括支援センターでも、「いきいき百歳体操」の再開時期、方法を検討していた。

 「いきいき百歳体操」は、地域ごとに集会場などに集まり、椅子に座ったままなど無理なく、みんなで楽しく運動する。筋肉がついてくれば重りをつけ、負荷を調整しながらそれぞれに合ったトレーニングができ、自身の筋力強化が感じられるものになっている。活動中止のため、これまで鍛えた筋力が衰えてしまうことや、自宅にこもり人との交流が薄れること、脳への刺激が減ってしまうことを心配した地域のリーダーが立ち上がり、同センターと協力して、自宅でトレーニングができるよう、写真入りのチラシを作ったり、脳の活性化や人との交流などを意識できるカレンダーを作り配布していた。

 「再開時期に見通しが立たないなら、今できることを」と、みんなのために行動できることがなんといっても素晴らしい。まさに「新しい生活様式」を提供している。順応できるかなどと考えたことが恥ずかしくなる。こうやって、たくましくウイルスと戦って人間は進化してきたんだと実感する。(陽)