新型コロナウイルスの感染拡大防止で県立高校などが臨時休校となっており、このままいけば学年の進級はどうなるのか、不安に思っている子どもや保護者も多いと思う。仁坂吉伸知事は先日、今年7月20日(休校措置が遅かった東牟婁は8月上旬)まで休校が解除されなければ、夏休みや冬休みを返上しても授業の日数が足らず、留年にせざるをえないとの見解を示した。県教委によると、学習指導要領の中に1年の3分の1以上を欠席すると、その学年の十分な学習ができないとしている。1学期が終わる7月20日まで欠席が続けば、3学期制のうちの1学期分が失われるため、十分な学習知識が身に付けられず、一般論として留年になってしまうという話。

 全国的には政府が言う「最低7割 極力8割」の人と人の接触削減も難しく、感染が拡大中。和歌山県でも依然、感染者が微増しており、休校措置が5月6日で終わるのかどうか疑問である。

 もし、本当にみんなが留年になってしまったら。筆者のような中年から見れば長い人生、1、2年ぐらいの遅れはどうこうないと思うが、一寸の光陰かろんずべからず、次代を担う子どもたちにとっては大きな問題。例えばタブレットを配布して家庭で遠隔授業をして通年のカリキュラムを消化するなどで留年回避できないものかと思う。また、子どもたち自身も、休校期間中に自主学習して授業が再開した時にできるだけ学力が落ちないよう努めることも大切。ネット環境があれば、民間の無料学習ツールもあるそうだ。

 行政はもちろん、県民一人ひとりがいま、何ができるかを工夫しながら、この難局を乗り切りたい。(吉)