ソフトテニスのゴーセン杯争奪ハイスクールジャパンカップの女子ダブルスで和歌山信愛の前本真弥選手(2年)=清流中出身=のペアが優勝に輝いた。前本選手は印南ジュニアで練習を始め、中学校でもソフトテニスを続け、高校では強豪の和歌山信愛に進学。1年生からインターハイ出場を決めるなど、実力を伸ばしてきた。ジャパンカップでは途中、危ない試合もあったものの粘り強さで勝ち残り、ついに優勝を手にした。数万人の登録がある高校ソフトテニス部員の頂点に立つ、快挙を成し遂げた。

 以前、ある関係者が「ソフトテニスは小中高と競技人口が多く、その中で優勝することは非常に価値があるにもかかわらず、マスコミに取り上げられることが少ない」と話していた。確かに硬式テニスのように世界的ではなく、オリンピック競技にもなっていないなどで、部活としては有名だが、スポーツとしてテレビなどで取り上げられることは少ない。ただことし春には日本初のプロ選手が誕生するなど、今後の盛り上がりは期待できる。

 スポーツとしての将来性も重要だが、長年ソフトテニスを取材してきて思うのは、選手の人間性の成長だ。小中高校生を中心に多くの選手を取材してきたが、中には態度が良くない子もいないことはなかった。ただ練習を重ねるにつれソフトテニスの技術だけでなく、礼儀や心、コミュニケーション力も鍛えられ、いつの間にかきちんとした受け答えができるようになっている。大学を卒業し、立派な社会人として活躍している選手もたくさんいる。

 ソフトテニスは競技としての魅力はもとより、心身を鍛え、豊かな人間性を育むスポーツであることを、今後も選手たちの活躍とともに伝えていきたい。(城)