県教育委員会は26日の定例会で県指定文化財の新規指定等を審議し、紀伊半島のみに生息するオオダイガハラサンショウウオを天然記念物として県の文化財に指定した。

 オオダイガハラサンショウウオは、両生綱有尾目サンショウウオ科に属する小型サンショウウオで、1911年(明治11)にアメリカ人の海軍士官トンプソンが奈良県の大台ケ原で発見した。

 成体の平均的な大きさは18㌢で、体の色は青紫。森林内の林床や渓流を行き来しながら、ミミズや昆虫を食べて生活している。県内では護摩壇山、白馬山、笠塔山、果無山脈、大塔山などの河川源流域で生息が確認されているが、近年はペットとして高値で売買されており、捕獲による生息数の減少を抑止するための法的保護措置が必要となっていた。

 今回の文化財指定により、今後は許可を得ずに捕獲や飼育はできなくなり、違反すれば罰金や科料の対象となる。

写真=オオダイガハラサンショウウオの成体(玉井済夫氏提供)